後期ゼミを振り返って ~卒論完成への第一歩~ by Misaki
1,ここまで
後期の授業では初めて自分で選んだ論文を読んだ。論文を読むのは大変だと思っていたが、全くそう思うことはなく楽しんで読むことができた。私が選んだ論文は専門的用語が多く難しかったがわからない用語を調べることでさらに理解しやすかった。発表にむけてこの難しい論文をどうまとめるか悩んだが、一つのセクションを読み終えたらわかったことと筆者の伝えたいことをメモしていくことが最適だと思い、実践してみた。まるで高校時代に現代文の文章読解をしたときのようなワクワクする気持ちだった。また、この作業が得意なのだと感じ自信がついた。自分の発表は最終日だったのでよりプレッシャーを感じた。他の人の発表を聞いていく中でレジュメのレイアウトの仕方、説明の仕方などクラスのみんなの個性が見られた。それに加えてみんながどんなことに興味をもっているのかも知ることができ、特に私と同じ分野に興味を持つクラスメイトは卒論を書く際に良い相談相手になるのではないかと考える。メディア×英語×CDSをめぐって自分の興味や理解は変わった。前期で行ったお菓子のパッケージ分析では日常生活の中でそこまで気づかないであろうところまで調べたことで新たな発見があった。さらに批判的談話研究を学んでマーケティング戦略につながるとは思ってもいなかった。自分の興味がメディアばかりだったのがマーケティングにも興味を持つようになった。後期で参考にした論文では映画のタイトルが興行収入にどう関係するかというものだったが、映画のタイトルは現代社会においてSNSの口コミによって広がるため決して安易に考えてはならないのだと学んだ。
2, これから
現時点で、私にとって批判的談話研究とは日常的に目にする言葉などをもっと深堀していくことだと考える。英語学演習の授業でも今まで抱いていたイメージが覆されるような発見がいくつもあった。特にヴィーガンの授業では抱いていたイメージとはほとんど違っていた。このように先入観をもっている言葉は調べがいがある。前期末のレポートでは批判的談話研究について「色のないノート」だと表現したが、後期の授業を通して少し色が付き始めたと感じる。また、日常生活での応用もできるようになってきた。これから卒論を書いていく中で先入観にとらわれず自分の意見をしっかり述べられるようにしたい。
私は学会の仕事の一環で先生にインタビューをしたことがある。「先生が思う英語の効果的な勉強法は何か」という質問に対して「その言語で人の感情を動かせることを意識して勉強してほしい」と回答をいただいた。英語を日常的に話さない私にとって、最初は理解することが難しかった。日本語では言葉選びというものがあり話す人によって敬語を使い分けたりする。英語でも丁寧な言い方やラフな言い方があることを知っていたが、「感情を動かす」についてはその言葉で相手を傷つけてしまわないかという表面上のことばかり考えてしまった。しかし授業を通して「その言語が人の感情を動かす」とは「○○は英語で踊る」というテーマの通りなのだと理解した。実際に視界に入る言葉が人の心を動かしていると知った今、身近なものでもどうしてこの言葉を選んだのか、何を目的としているのかを考えられたら面白いと感じた。
私は「映画」「広告」「言語」「マーケティング」のキーワードに関連した論文を読みたい。
①八木祐太, 梶山朋子, & 大内紀知. (2014)では映画ポスターの配色が鑑賞者の第一印象にどう影響を与えるかについて書かれている。私は言語だけでなくポスター全体の配色にも人を動かす力があると考える。②近江政雄. (2013, September)ではジャンルごとにどのような配色がなされているかをデータで示している。一つ目の論文を踏まえてジャンルごとの色の影響について分析したい。③新井恭子. (2007)は広告における言葉がどう人を動かすかということについて書いてある。その言葉で人を説得させるためにはどのような要素が必要なのか知ることができると考えた。④尾野治彦, & オノハルヒコ. (2004)では洋画における原題と邦題の表現のズレを研究した論文である。日本語と英語の表現の違いを比較することで映画タイトルを決める際にどう影響するかがわかると考える。⑤清海節子, & 松本由美. (2008)では広告見出しに使われる言語の品詞の並びについて書かれている。日本語と英語でどう違うのかがわかれば、映画広告を日本版とアメリカ版で作る際に役立てられると思った。
3,なんちゃって卒レポ
Title(題名)
映画タイトルと広告の日米比較
Introduction(問題意識)
映画のタイトルや広告において、この映画を観てみたいと思わせる要素は何か。
Literature Review (先行研究)
八木祐太, 梶山朋子, & 大内紀知. (2014). 鑑賞者の印象を反映させた映画ポスター色
変換手法の提案. 芸術科学会論文誌, 13(1), 59-66.
→人間の心理的思考と映画ポスターの色彩効果を兼ね合わせた研究
Methodology(分析方法)
映画のタイトルの意味や広告ポスターに使われる色と文字フォントを同じ映画のアメリカ版と日本版で比較する。
Data Analysis(データ分析)
アメリカ版と日本版どちらのポスターに惹かれるかアンケートを取る。
Conclusion(結論)
英語学演習の授業テーマ「○○は英語で踊る」に基づいて、目に入る情報の捉え方が人それぞれ違うことやマーケティング効果について理解する。
(2206文字)
〈参考文献リスト〉
①八木祐太, 梶山朋子, & 大内紀知. (2014). 鑑賞者の印象を反映させた映画ポスター色変換手法の提案. 芸術科学会論文誌, 13(1), 59-66.
②近江政雄. (2013, September). 映画広告チラシの基調色がその印象に及ぼす影響. In 日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第 77 回大会 (pp. 1AM-101). 公益社団法人 日本心理学会.
③新井恭子. (2007). 説得力とは何か―広告表現におけることばの効果―. 経営論集, 69, 171-183.
④尾野治彦, & オノハルヒコ. (2004). 日英語の映画タイトルにおける表現の違いをめぐって:「感覚のスキーマ」 と 「行為のスキーマ」 の観点から. 北海道武蔵女子短期大学紀要, 36, 63-110.
⑤清海節子, & 松本由美. (2008). 日・英広告見出し文の言語的特徴. 駿河台大学論叢, (35), 97-116.
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