初めてのゼミを終えて by Minako

1.はじめに

私が太田ゼミに入った理由は3つある。1つ目は、2年次に履修した英語学基礎演習3a,bで学習した「音楽で時事問題を読む」で、自分の興味を持ったことについて分析することの面白さや、物事を深く掘り下げて考えることで、自分なりの視点や考えが持てるようになった感覚を味わうことができ、その学びをゼミや卒業論文でも活かしていきたいと考えたからである。2つ目は太田先が担当するゼミに入りたいと思っていたからである。英語学基礎演習3a,bで初めて太田先生の授業を履修し、選ぶ授業のテーマや話の面白さ、生徒に対する明るくて優しい指導に魅力を感じ、今後も太田先生から学びを得たいと考えた。3つ目は、メディアと英語にどのような繋がりがあるのか興味を持ったからだ。特にSNSは私にとって切り離せないほど普段から頻繁に利用している。そのような身近なものと英語にはどのような繋がりがあるのか、様々な視点から分析できるのは面白そうだと感じた。

2.ゼミで面白かったこと、初めて知ったこと

 全体を通しては、授業内で様々なメディアを用いて分析対象を見つけ出すにあたり、身の回りのメディアの多さに気づくことができた。ゼミに入る前までは「メディア」といえば、なんとなくSNSやニュース、ネットやテレビの広告などの様々な情報を発信しているものを想像していた。だが、実際にゼミと「女性は英語で踊る」での授業を通して、お菓子のパッケージやラジオの相談、映画の身近なシーンなど、1つの限られた情報を発信しているものもメディアに含まれていることを理解した。また、自分たちの生活は常にメディアに囲まれているのだと改めて実感することができた。

 また、1つの課題に対してもクラスメイト一人一人が違うテーマを選んだり、違う意見を持っていることが面白いと感じた。授業内ではクラスメイト全員の意見を聞いたり、1対1での意見交換をする機会が多く設けられていたため、多くの意見を聞くことができた。自分では気づけなかったことに気づいたり、自分とは違う意見であっても納得できたり、相手の選んだテーマについて知識を得られたりと大変有意義なものだった。それぞれが違う意見を持っていることはあたりまえかもしれないが、意見交換をすることでその人にしか発見できなかったものや、感じ取れないものがクラスの人数分だけあることを実感できたのはとても面白いと感じた。

授業内容で最も印象的だったことは、「TOPPO(トッポ)」のパッケージについて分析したことである。トッポのパッケージの英語表記は商品名でしか出てこなかったため、そこの部分のみを切り口にして分析を行うのは難しかった。だが、発売当時のパッケージと比較しながら一文字一文字じっくり観察していくうちに、商品名の部分だけでも様々なデザインの工夫がされていることがわかった。そして、そのような些細な工夫が販売促進の戦略になっていることに気づいた。私は英語英文科に入って、これまでマーケティングに関連することを考えたことがなかったため、「買う立場」から「売る立場」としてお菓子に触れたことが新鮮で楽しかった。また、自分が普段から食べていて、馴染みのあるお菓子を分析対象に選んだため、自分自身でも面白いと思えるレポートに仕上げられたことが非常に嬉しかった。

3.これから

 現時点で、私にとって批判的談話研究とは身の回りの何気ない会話や文字、言語を様々な視点で分析し、自分なりの考えを導き出すものだと考える。前期の授業では、普段何気なく見ているお菓子のパッケージに購買意欲を促進させる戦略があることや、YouTubeの何気ない短なメイク動画に化粧品広告の役割があること、ラジオの相談では本人は口にしないが、本当に伝えたいことが隠されていることなど、ただ見たり聴いたりするだけでは気づくことのできない意図が身の回りにたくさんあるのだと理解できた。また、分析していく中で、同じトピックでも人それぞれ違う意見が出ていたことから、批判的談話研究は分析していく過程で独自の考えを持つことに価値があるのだと考えた。

前期の授業では、お菓子のパッケージについて分析したことで、デザインへの興味が湧いた。そのため、今後もお菓子以外のパッケージや広告のデザインと英語の関係について考えていきたいと感じた。ラジオの相談の分析では、相談内容をラジオジョッキーが読んでいたが、本人が語れば、本人が強く主張したいことや感情がリアルに伝わるのではないかと考えた。このことから、生の会話を分析してみたいと思った。また、レポートを書いたり人に意見を伝えたりする上で、自分では分かっていることでも、言語化してわかりやすく説明するのは難しいと感じたため、言語化するスキルも身につけていきたいと感じた。そして、今後批判的談話研究をしていく上で、些細なことでも自分なりの考えを持てる人間になりたい。

(総文字数1977字)

参考文献(これから読んでみたい文献)

1つ目は、大学における真に効果的なメディアとは何か,またこれらのメディアをどのように扱えばベストの広告戦略が実践できるのかについて分析している、清水良郎, & 宝島格. (2010). 大学広告におけるホームページの重要性とメディア戦略について. 名古屋学院大学論集 社会科学篇, 46(4), 53-65.である。

2つ目は、スマートフォンの普及が若者の電車内行動に与える影響と、電車内行動の変化が中吊り広告に与える影響について分析している、山川由起子, & 赤岡仁之. (2013). スマートフォンの普及による若者の電車内行動の変化―OOH への影響を考察する―. 武庫川女子大学紀要. 人文・社会科学編, 60, 115-122.である。

3つ目は、単語単位でカナルビを付した通常の洋楽カラオケと Nipponglish Version のカタカナ表記を付与した英語カラオケで歌唱練習をした場合、練習の前後でその楽曲の英語発音が向上するのか、また向上の度合いは異なるのかについて分析している、湯舟英一, 井上高志, and 濱屋宗人. "英語カラオケ用カタカナ・ルビの改善と歌唱練習による発音向上の検証." 外国語教育メディア学会関東支部研究紀要 4 (2020): 21-37.である。

4つ目は、ローカルアイドルの特質やローカルアイドルを活用したメリットについて分析している、趙子凌. "ローカルアイドルを活用した地域活性化戦略の特質." 地域デザイン科学: 宇都宮大学地域デザイン科学部研究紀要 12 (2023): 51-63.である。

5つ目は、楽曲を提供する音楽配信サービスに対してどの程度SNSが影響しているのか、また、SNSによるシェアに積極的な態度が音楽にどう影響しているのかについて分析している、河越友章, 吉田享子, and 飯塚佳代. "音楽配信サービス利用の意思決定に及ぼす SNS の影響." 専修大学情報科学研究所所報 99 (2022): 15-18.である。

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