前期ファイナルレポート by Subaru

1はじめに

私が太田ゼミを選んだ理由は二つあります。一つ目はメディアやSNSなど、自分にとって身近なものを研究できると考えたからです。ゼミの希望を出す時、私はまだ自分がどのような分野について研究したいのか全く思いついてなく、数あるゼミの授業概要を眺めていた時に一番興味深かったのが太田ゼミでした。映画、アニメ、ニュースといった自分の興味あるワードに惹かれ、このゼミなら自分が興味のあるものを研究できるのではないかと思い希望しました。二つ目は太田先生の授業スタイルです。二年生の時太田先生の授業を受けたことがあります。生徒側の気持ちに寄り添った授業の進め方やたまに短い雑談を挟む、生徒が飽きない授業スタイルが好きで、志望しました。また他の先生は対面で授業を受けたことがなく対面で受けたことがあるという安心感も理由の一つです。以上の理由からこのゼミに対しては初めからネガティブな印象は抱いてなく、不安なことは知っている人がいるかくらいでした。

2ゼミで面白かったこと、初めて知ったこと

初回の授業では批判的談話研究とはなにかわからず、研究テーマも決まっていなかったこともあり、ついていけるのか不安に感じていましたが、その不安はすぐに軽減されました。前期の課題であったお菓子のパッケージを見て考察するという課題に取り組んでいく中で批判的談話研究とはなにかを自分なりに理解し、自分の視点で疑問点を探しそれがどのような効果をもたらしているのか考えられるようになりました。今までずっとなにげなく食べていたお菓子のパッケージを考察していくことで、実はデザイナーの戦略にハマっていたり、自分が思っているよりもパッケージには大きな役割があったのだと知る事が出来たと思います。また完成したレポートを読みあうことでクラスメイトそれぞれの着眼点の違いを感じる事が出来ました。身近なお菓子のパッケージを課題にしたことでお菓子が被っている人が何人か出て、そのレポートを読んでみると同じ物を観察しているのに違う点に着目していたり、同じポイントに着目していても考察に少し違いがあったりするのがとても興味深かったです。また自分以外のレポートを見ることでレポートの書き方なども参考にできる良い経験だったと感じました。またレポートを見てもらえることで、客観的な意見をもらえるのはもちろんですが、全員に見てもらえることで、一人が良いといった表現を数人が否定したりと多くの人に伝わりやすいレポートに近づけられたと思います。一対一での交換だとどうしても仲のいい人とペアになって肯定的に読んでしまうことが多いのでクラスの全員と交換するという添削の仕方はコミュニケーションをとるのにも効率の良い方法だと思いました。

また太田先生のブログを使いゼミ生の紹介や過去に先輩が作成したレポートを掲載するというシステムは面白いと思いました。今までのレポートを一か所にまとめて残してくれることで自分のレポートを振り返りたいときや、先輩のレポートの書き方を参考にすることで、分からない人全員が先生に質問をしたり、勘違いを起こすことなくスムーズにレポートに取り組むことができるのでとてもいい機能だと思いました。

3これから

現時点で、私にとって批判的談話研究とは、物事が周りに与える影響について考えることだと思っています。批判的談話研究とは何かを批判的に捉え欠点を見つけるものだと初めは思っていました。しかし今までの授業と太田先生の説明を受け、批判的談話研究は物事に疑問や批判的意見を持ち、そこからそれらが世間に何をもたらすのかを考えるものだという風に捉える事が出来ました。その視点というのはお菓子のパッケージでも行ったように製作者側の意図を汲み取り戦略を考察することができました。またその戦略は効果があるのか、自分なら別の戦略を思いつくかもしれないといった考えに至り、このような考察はその対象物を更に改善し磨き上げることのできる良い談話分析だと感じました。またお菓子のパッケージのような想いを込めているもの以外でも影響を与える言葉はたくさん存在します。今後は私たちが普段何気なく使い言葉を発信しているSNSで使われる言葉、又はアニメで現代社会に影響をもたらした言葉から研究できる事柄を考えていきたいです。発信者がどんな意図を込めて発信したのか、そのシーンはどういうことを伝えたくて入れたカットなのかなど、今までのお菓子のパッケージの研究を活用できればいいと思います。

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これから読んでみたい参考文献

・一つ目はSNS炎上報知器開発チームのリーダーである松林圭(2016)である。この論文では取り返しのつかない事態へ発展してしまうような若者の何気ない発言を防ぐためのシステム開発するうえで投稿者の感情を分析している。

松林圭, 五味京祐, 古川和祈, 松尾祐佳, 松原良和, 中村拓哉, 松林勝志. (2016). 「Twitter 上に投稿された文章に基づく感情推定法とその応用に関する検討」『第 78 回全国大会講演論文集』, 2016(1), 79-80.

・二つ目は子供向けマスメディアに描かれたジェンダー問題について研究している藤田由美子(1996)である。この論文ではテレビ、アニメ番組に現れた女性像、男性像の分析を行っている。

藤田由美子.「テレビ・アニメ番組にあらわれた女性像・男性像の分析 ステレオタイプ的な描写の検討を中心に」 子ども社会研究 2 (1996): 33-46.

・三つ目は日本のカルチャーが海外に伝播した時に起きる変容と日本の反応について研究している山田奨治(2015)です。ここでは日本の文化であるアニメが海外に伝播した時のカルチャーショックや時代の間を埋める術について考察している。

山田奨治, 「マンガ・アニメで日本を研究する.」 日越交流における歴史, 社会, 文化の諸課題 (2015): 133.

・四つ目は文化の多様性を研究している李修京(2011)である。この論文ではディズニーの複数の映画を通して、作品が生まれた時の社会的背景や、女性像や社会的影響について考察されている。

李修京 & 高橋理美. (2011). 「ディズニー映画のプリンセス物語に関する考察」. 東京学芸大学紀要. 人文社会科学系. I, 62, 87-122.

・五つ目はメディアや広告、コミュニケーション論を研究している村上信夫(2018)である。この論文では様々なSNSを使用する若者の変化について考察されている。

村上信夫. 「スマホ利用による若者のコミュニケーションの変容 (上): SNS は若者の感性を変えたのか.」 茨城大学人文社会科学部紀要. 人文コミュニケーション学論集= Bulletin of the College of Humanities and Social Sciences, Ibaraki University 2 (2018): 145-167.

team nana

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