今学期の批判的談話研究のまとめ by Saki

1.はじめに

 私がこの太田ゼミに入った理由は、昨年受けた英語学基礎演習の影響がとても大きいと思う。この英語学基礎演習は、音楽(洋楽)から人種差別、LGBTQなどの日本だけではなく世界でも特に問題視をされている社会問題を見ていくという授業である。普段音楽を聴いているときにただ聴いているだけだったので、ここから社会問題を見ていくことがとても新鮮な気持ちだった。音楽を通して人種差別、LGBTQ、セレブリティープライバシーなど学んできたことにより、社会問題について考えていく機会が増えた。ここから、私たちの身近にあるメディアを通して社会問題に目を向けることが多くなり、興味を持った。

ゼミの説明を見たとき「批判的談話研究」をそこで初めて聞いた。ゼミの説明を聞いたときに「談話研究」という言葉は大体どのようなものなのかということが検討ついていたので、どんな内容なのかというのを何となく理解していた。しかし、「批判的談話研究」と「批判的」がついただけで、私にとっては難しく、未知の言葉となりわからなくなった。なので、「批判的談話研究」とはなにか、知り学んでいきたいと感じたので、このゼミを選択したことが理由である。

 私がこの授業に対して抱いた印象は、安心感があるなということだ。なぜなら授業の仕方は先生の授業を今まで何回か受けてきたのでどんな方針でいくのかは何となく想像がついた。「批判的談話研究」を直接的にこうと説明するのではなく、お菓子のパッケージ、CM、LINEについての論文などから少しずつ掻い摘んで理解していくようなものだったと感じた。直接的に説明だと一気に難しくなってしまうので、わかりやすく雰囲気をつかめたような気がした。

2.ゼミで面白かったこと、始めて知ったこと

 お菓子のパッケージに書かれている英語を切り口に販売促進につながることを分析していくことが、面白かったと感じた。買い物に行ったとき、SNS、テレビCMなどでパッケージを見る、宣伝されていることをよく目にする。普段お菓子を買うときに、このお菓子を買おうとなど、何も考えずに買っていたので、どこに惹かれて買っているのか、どんな思いが込められているのかなどを全く知らないかった。しかし、お菓子のパッケージやCMを詳しく見ていくと面白いことに、見えなかったものが鮮明に見えてきた。お菓子のパッケージのレポートでは、ビスコについて書いた。ビスコのパッケージといえば、赤いがなぜ赤なのかなど、歴史をたどり、何が売りなのかを知っていき、分析していくことで、自分なりの見解が生まれたことが自分にとってこれまでにない発見だった。

 また、「英語は女性で踊る」の英語学演習の授業で、渡辺直美のメイク動画、日米子育てのナラティブ、ラジオ分析など行ってきた。ここでも、SNSやラジオなどのメディアを通して女性たちの心情や訴えかけていることを知っていくこと。メイク動画は、渡辺直美が普段舞台に立つときの使っているメイク紹介で、どう自分を見せたいのか、広告の動画なので商品名や使ってみての感想を見て聞いた。日米の日常で使われるナラティブ、プリッツのCMでのナラティブを分析していくことで、その国の人の言葉の特徴を見つけていくこと、その時代の特徴を「語る」という行為から示されるということに惹かれた。

これらから、言葉を分析していき、少ない情報源でどう伝えていくのかを見いだしていくことが新鮮で面白かったと感じた。また、書き起こして談話分析していくことで口頭では見えなかった事柄を見つけ出し、その言葉の裏の意味を発見していくことができことが、新しい発見だった。

3.これから

 現時点で、私にとって批判的談話研究とは“顔見知り”という表現となる。批判的談話研究を擬人化してみると私との関係はこのようになります。まだ、あまり親しくはないが、お互いに顔を知っているような関係である。魅力を知れていない部分が多く、仲良くなれていない。前期では、顔見知りくらいにはなれたであろうと感じている。これからはまだ時間があるので、この授業を通して少しずつ知っていき、理解を出来るように学んでいきたいと考えている。

 普段当たり前のように使っているテレビ、携帯、パソコンなどの電子機器だけではなく、紙の媒体でメディアからの情報を知り、情報を得ておき、談話分析をすることで新しい知見を広げることができる。

 これらを踏まえて、後期以降もっと批判的談話研究を知っていき、卒業論文執筆に向けてテーマ決定、理解を深めたい。

(1802字)

参考文献

・森ます美「日本の性差別賃金」『大原社会問題研究所雑誌』No.570,2005,p.68-71.

 男女の賃金格差や同一価値労働同一賃金について論じた本邦初めての著書で、日本の国際的にみても突出して大きい男女格差を解決していくためのものである。

・氏原陽子. 「中学校における男女平等と性差別の錯綜 二つの 「隠れたカリキュラム」 レベルから」『教育社会学研究』{58},1996年,p.29-45.

 教育レベル、教育内容でのジェンダー差異が生じる問題についての論文となっている。

・高林久美子「自己への脅威が女性に対する偏見に及ぼす効果: 両面価値的性差別理論からの検討」『社会心理学研究』{23}2,2007. p.119-129.

 自己への脅威が女性に対する偏見に及ぼす効果を数値から見ていき、見解を明らかにしていく。

・熊本理抄.「「マイノリティ女性に対する複合差別」 をめぐる論点整理」『人権問題研究資料』{17}2003. p. 39-73.

 ジェンダーに基づく差別として、人種、エスニック、宗教などの差別と同時並行的に置き、女性に対する人権侵害が正確に把握されることがない。ここから、あらゆる形態の差別撤廃に向けた取り組みを考えていくことの論文である。

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