前期のゼミを振り返って by Ayaka
1.はじめに
私が太田ゼミに入った理由は、メディアに関心を持っているからである。メディアというのは、私たち現代人にとって欠かせない情報の源でもあり、私自身も日々、ニュースやSNS、YouTubeなどで様々な情報に触れている。そんな中で、メディアが私たちに与える影響を深く学びたいと思った。メディアを授業の中心に据えるというのは、新しい情報を得るだけでなく、メディアを見る目を養い、情報に対する批判的な思考力を身に付けることもできる。
これは、私たちが将来社会で活躍する上で必要不可欠な能力である。そのため、このゼミに入ることが、私にとって非常に意義深いものとなった。以上のように、自身の興味やスキルアップを図るとともに、社会人として必要とされる能力を身に付けることができると考えこのゼミを選んだ。
2.ゼミで面白かったこと、初めて知ったこと
(ゼミに対して)
ゼミで学んだ中で特に印象に残ったのは、ラジオの談話分析とお菓子のパッケージの分析である。英語学演習の「女性は英語で踊る」という講義で、ラジオに寄せられる、相談内容について談話分析を行った。普段私は、ラジオをあまり聞くことがないため、最初はラジオからどんなことを分析するのかわからなかった。しかし実際にラジオの談話分析をしてみると、相談者の本当の要望を言葉から読み取り、そこから自分なりの解決策を出すということがとても面白かった。また、同じ相談内容についての意見の違いにも興味が湧いた。自分と違う観点から相談者の本心を導いている人の意見を聞いて、共感することも多くあった。それぞれが異なる分析方法や視点を持っていたため、普段の自分の視野を広げることができ、本当に勉強になった。
そして今までの私は、いつも何気なく手に取っているお菓子のパッケージに対して、「なぜこのパッケージなのか」という疑問を持ったことがなかった。分析をする中で、CMとの関連性も含めたどんな意図があるのかを考えることができ、これまで単純だと思っていたものが深い意味を持つものに見えるようになった。学んだことを通じて、言葉やデザインなどの表現方法に気をつけるようになり、新しい視点から周りを見る力を養うことができた。
(クラスメイトに対して)
昨年太田先生の授業を受けたことや、ゼミのメンバーの多くが知り合いだったこともあり、安心して授業を受けることができた。授業中には、ペアになり意見交換や質問応答が活発に行われ、クラスメイト同士のコミュニケーションが多くあり、とても楽しかった。初めて参加したゼミだったが、みんながとてもオープンマインドであったため、適度な緊張感と共に授業に参加することができた。後期のゼミも、このような素晴らしい環境で学べることが心から楽しみだ。
3.これから
現時点で私にとって批判的談話研究とは、「社会現象や個人的な経験に対して深く掘り下げ、その多様な背景や意味を探求し、社会的な問題や現象について洞察力を高めること」であると考える。このゼミを通して、様々な文献を読み、ラジオやCMを分析しこのように考えた。私たちが直面している社会的な問題や現象を正しく把握し、それに対して真摯に向き合うことは、私たちの生活にとても重要である。さらに世界中で起こる社会問題に目を向けると、言葉の使い方がいかに重要であるかが明らかになる。テレビやラジオ、SNSなど、世界中で発信される情報は、その言葉の選び方や構造によって、受け取る人々の意識や行動に影響を与える。つまり、単なる言葉以上の意味を持つ談話があることを見逃してはならないのである。そこで、私はさまざまなメディアを通じて、批判的談話研究を取り上げることで、社会的な問題や現象を正しく理解し、自分の意見や判断力を向上させることができると考える。さらに批判的談話研究について学びを深めることで、洞察力を高め、課題解決に繋げたい。また身近なテーマとしては、様々な観点からジェンダー問題について研究したいと考える。例えば日本と外国におけるジェンダーの問題を比べたり、映画やドラマ、ファッションについてのジェンダー問題を深く分析したい。また、私たちがよく使うインスタグラムやYouTubeの広告が与える影響についても分析したい。総じて、批判的談話研究は、私たちが直面する社会的な問題や現象を正しく理解し、それに対して的確な解決策を探るために必要不可欠なスキルとなるだろう。今後も積極的に学ぶ姿勢を保ち、自分自身の考えや経験も含め、常に新しい視点を求め、柔軟かつ創造的な思考を持ち続けたい。
(1858字)
4.参考文献
これから読んでみたい文献
①【鎌原欣司、林高樹】「Instagram解析による効果的なSNSマーケティング手法を探る:ハッシュタグを用いたアプローチ」
Instagram 内で頻繁に利用されるハッシュタグ(#)機能に焦点を当て、実際に効果が高いと想定 されるハッシュタグを導出し、写真投稿を行い、実験及び分析することで、新たなマーケティング ツールとしての SNS 利用方法と、インフルエンサーと呼ばれるユーザー達の特徴的な行動の一端について論じている。
➁【因 京子】「映画・ドラマ作品を通してみるジェンダーバイアス」
本発題では、第二次大戦後日米で発表された映画やテレビドラマのいくつかを取り上げ、それらの作品の中で女性たちがどのように描かれているかを観察している。
③【平岡 緋奈子】「ディズニー プリンセス映画に見る言語的ジェンダ一表現」 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 13 (2018-03-22)pp. 97 – 111
理想のプリンセス像を抱かせるためには映画を通してキャラクター付けを行う必要がある。それは容姿や服装といった視覚的な要素はもちろんだが、そのキャラクターが話すセリフや様子・態度といった聴覚的な要素も大きく影響する。そこで本研究では、デイズニープリンセスの言語的ジェンダー表現に着目し、デイズニープリンセス映画が時代の変化とともにどのように変わっていくかを検証している。
④【小川,麻衣】「ファッションとジェンダー : "フェミ男"現象と「男らしさ」の考察」文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 49 (2018-01) pp.49-56
ファッションは近代産業社会の成立とともに誕生したジェンダーを映しだす記号的役割を果たしてきた。社会の変化とともにジェンダーが恣意的に作られたものであり、その構造や意味を問い直そうとする議論や研究がみられるようになると、それらに関わりを持つファッションも同様に議論し直されはじめた。本稿では、1990 年代に流行した〝フェミ男〟をジェンダー概念の観点から考察を行っている。
⑤【前川愛歩】「海外セレブリティの発言の日本語訳における女性的表現—女性ファッション誌VOGUEJAPANの記事から—」金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習16 (2021-03-20) pp.33 – 52
近年、 自然談話において言語的ジェンダー表現は弱くなっていると指摘されている。 一方で、 海外セレブリティの発言は最近でも「~わ」「~よ」などの 言語的ジェンダー表現を用いて訳されているのを目にすることが多い。本研究では女性ファッション誌VOGUEJAPANの記事を検証し、女性セレブリティの発言がどの程度女性らしく訳されているのかを調査している。
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