TOPPO(トッポ) パッケージ変更に隠された戦略 by Minako
今回、批判的談話分析・批判的談話研究の分析対象として、1994年に発売された、LOTTEが製造している準チョコレート菓子「TOPPO(トッポ)」を扱う。この商品は従来のスティックタイプのチョコレート菓子とは異なり、「チョコを中に入れる」という逆転の発想から、手を汚さずにいつでも、どこでも食べられることが魅力である。また、「TOPPO」という商品名は、「背が高く(TALL)」で「ノッポ(NOPPO)」な形状であるという二重表現から命名された。
この商品のパッケージは発売当時から現在まで、1度変更されている。この変更にはどのような効果があるのだろうか。現在のデザインの英語表記「TOPPO」の部分のみを分析するために、発売同時のものと比較していきたい。発売当時と現在のものではパッケージの中心に大きく斜めに表記されていることは変わらないが、色や文字の大きさ、文字同士の密度など様々な変化がある。ここでは、頭文字 “T" の横棒のデザインと全体の字体の2点に着目していきたい。
まず、“T" の横棒のデザインに着目する。発売当時は凝ったデザインのないシンプルな形であるのに比べ、現在のものは丸みがあり、右の部分が上に跳ねているのがわかる。また、現在のデザインはトッポの内側にチョコレートが注がれているイラストがあり、その注がれている部分とTの跳ねている部分が似ているように見える。このことから、これはチョコレートが注がれている様子を表現し、チョコレートの存在感を引き立てていると考えた。
次に、全体の字体に着目する。現在のものは発売当時のものよりも“O"と“P"の文字の中にある丸い部分が大きく強調されていることが分かる。これは上から見た TOPPOの形を表していると考えた。「プレッツェルの生地の中にチョコが入っている」という唯一無二の特徴を文字で表現しているデザインがパッケージを見る消費者を魅了しているのではないだろうか。また、丸い形は曲線がないため、「穏やかさ」「安全」「包容」を感じさせる効果があるそうだ。その点でも丸い形を強調することでお菓子を選ぶ人を惹きつける効果があると考えた。
以上、TOPPOの発売当時と現在のパッケージの英語表記「TOPPO」のデザインにのみに着目して、パッケージの変更にどのような効果があるのか考察した。英語表記「TOPPO」の部分だけでも様々なデザインの工夫ができることが分かった。このことから、商品の特徴とTOPPOという英語文字の形を上手く組み合わせたデザインが販売促進に役立たせているといえる。(1004字)
参考文献
LOTTE 「TOPPO」 https://www.lotte.co.jp/products/brand/toppo/ (最終アクセス2023年6月9日)
LOTTE「最後までチョコたっぷりの秘密」
https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/packagelabo/11 (最終アクセス2023年6月9日)
家具蔵KAGURA 『「丸み」がもたらす心理効果』https://www.genius-web.co.jp/blog/design-tips/what-is-the-impression-to-be-given-to-the-meaning-of-each-shape.html(最終アクセス2023年6月9日)
0コメント