期末レポート by Chinatsu

1. はじめに

ゼミでは、これまでの一方通行な授業とは違い、自ら調べた内容をみんなの前で発表することに不安があったが、実際には新鮮でとても面白かった。私が秋学期の太田ゼミで面白かったこと、初めて知ったことは主に二つある。一つ目は、取り上げたテーマから参考文献の考察をまとめて、自分の意見を発表するという過程の難しさが分かったこと。私は今回「国別の映画ポスターの比較」について発表したが、文献を一から調べ、それに対する著者と自分の意見の違いや解釈を述べるのはとても困難だった。聞き手が既にあるだろう知識や難しい用語を分かりやすいように言い変えて話さないといけないため、すごく工夫をしたし、それと同時に勉強にもなった。また、レポートにてデータ分析も記載したのだが、クラスメイトの原稿を拝見すると、図を用いて視覚的に綺麗にまとめられていたため、とても参考になった。二つ目は卒レポを考えるにあたって、自分が興味のある分野を改めて知れたことである。私は興味のある分野が狭いため、卒レポの内容に困っていたが映画やドラマのキャッチコピーや広告が好きでよく見ていたことを思い出し、原稿にまとめてみると想像以上に、とても楽しく感じた。自分の好きな分野についてより興味を深められ、取り組めるというのは授業を受ける上で大きなモチベーションに繋がる。また、この授業は、メディアにおける言葉の機能、構造、運用を勉強し、コミュニケーションのやり取りや、イントネーション、順番、状況など、普段の生活には欠かせない他者との交流について改めて実感できる内容だった。ほかの発表者の内容はアイドルなどのエンターテイメントに関する内容が多く、最終的なまとめとして、「コミュニケーションも時代と共に環境に応じた進化をしている」という考察結果になっている。それらを理解することで、今後のコミュニケーションのやり取りに新しい意識が生まれるだろう。


2. これから

現時点で、私にとって批判的談話研究とはコミュニケーションの多様性である。私は普段から周りとのコミュニケーションの中で「あまり目立ちたくない」「人と同じようなリアクションをする」を意識していたが、ここで自らの話し方を振り返れたことで、もともとあった潜在意識から自分だけが持つマイノリティ的な部分に気づけた気がする。人によって解釈や表現の仕方はさまざまだけど、それを理解することで私たちは共生できる。互いに多様性を持つことで談話にも反映され、より人と人が思いやりを持てるようになるのだと思う。今後の卒業レポートでは、そうした人々の多様性への理解を深めるため、今回発表した「国別ポスターの違い」を引き続き、延長して分析したいと考えている。今後グローバル化していく中で、私たちは自分にはない、相手の個性を受け入れてコミュニケーションをとっていく必要がある。そこで、国の好みが反映された国別のポスターを分析すれば、日本にとどまらない談話の多様性が生まれるかもしれない。また、今回発表した私の反省点として、原稿にて、分かりやすくするための写真やイラストが使われていなかったことや、自己解決して周りへの説明が足りていなかったことが挙げられる。「着目点は良いのに、詰めが甘くしっかりと考察しきれていない。」と有難い指摘を受けたので、今後の卒業レポートではそれを改善し、励んでいきたい。


[これから読んでみたい文献]

❶ 「篠崎敦子、椎塚久雄」「映画ポスターの感性評価-A Kansei Evaluation of Movie poster-」 [最終アクセス 2007年8月29-31日]

⇒人の気持ちを動かすポスターにはどのような要素があるのか。そして、作り手の気持ちが見ている人に伝わるポスターを作ることが最終目標である。

≪https://www.jstage.jst.go.jp/article/fss/23/0/23_0_58/_pdf/-char/ja≫

❷ 「林佐和子」「映画ポスターの日英比較: 認知言語学の観点から」

[最終アクセス 2016年3月23日]

⇒映画の内容を伝え、 鑑賞者を惹きつけるための重要な宣伝手段であるポスター。 国別に好まれる映画ポスターやタイトルは全く違い、その映画が輸入輸出されていく過程で、その国の人々がより興味を持つように好みに変更される。では、その「好み」は何に起因しているのか?ポスターやタイトルからみる国別の"らしさ"について、比較し、認知言語学の観点からその特徴を分析する。

≪https://Kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=3792&file_id=26&file_no=1&nc_session=gaou6l49rap658pmkpotemvk72≫

❸ 「尾野治彦」「「絵本」と「映画ポスター」における日本語版と英語版の違いについて

─「体験的把握」と「分析的把握」の観点から ─」

[最終アクセス 2021年3月31日]

⇒絵本と映画ポスターにおける日英版の表現、翻訳を比較する。日米の映画ポスターの比較には、絵本における日英語表現の比較に共通した面があることが分かった。

≪https://hmjc.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=534&file_id=22&file_no=1&nc_session=k9h1bhhvv8jerfin9p56ira343≫

❹ 「祁楽 林勝彦 佐々木和郎」「中日ホラー映画の比較研究 : 日本ホラー映画の優秀性の分析」

[最終アクセス 2014年3月17日]

⇒日中ホラー映画の比較をする。日本と中国はとても似た歴史文化の雰囲気がある。しかし、中国では需要があるのに日本ほど満足できる作品が作られていない。そのため、日本のホラー映画が成功を得た方法を中国のホラー映画の中に取り入れて見れば、中国ホラー映画の発展と収入の成績が良くなるのではないか。日本のホラー映画の撮影経験を中国の国情と照らし合わせて、中国のホラー映画の発展に有効な方法を探す。

≪https://www.jstage.jst.go.jp/article/itetr/38.16/0/38.16_157/_pdf/-char/ja≫

❺ 「八木祐太・梶山朋子・ 大内紀知」「鑑賞者の印象を反映させた映画ポスター色変換手法の提案」

[最終アクセス 2014年3月]

⇒過度な広告宣伝の抑制と過小な広告宣伝による機会損失の防止から、鑑賞者の印象を反映させた映画ポスター色変換手法を考察する。

鑑賞前後における作品への印象の差を軽減することで、 本来の作品評価が行える仕組みができることを目的とする。

≪https://www.art-science.org/journal/v13n1/v13n1pp59/artsci-v13n1pp59.pdf≫


3. なんちゃって卒レポ

● Title(題名)

→ 国別の映画・ドラマのポスターの比較

● Introduction(問題意識)

→ 国によって好まれる映画やドラマのポスターには違いがあるため、日本人にとって身近な日英韓のポスターを比較し、各国の好みを探る。

● Literature Review (先行研究)

→ 林佐和子が2016年に発表した「映画ポスターの日英比較: 認知言語学の観点から」では、アメリカは客観的なものに変更されているのに対し、日本は主観的なものに変更される傾向が高いことが分かった。

● Methodology(分析方法)

→ 日英韓のドラマと映画のポスターを対象に、

タイトル、キャッチコピー、写真&イラストの3つの要素と国の歴史的背景や国民性を比較しながら分析していく。

● Data Analysis(データ分析)

→ アカデミー賞でも賞を獲得した「パラサイト」では、芸術性を重視し展開を読めなくする韓国、情報量を多く載せて動員数を増やしたい日本、シンプルに見やすさを意識する英語圏、の特徴が表れた。

● Conclusion(結論)

→ やはり、ポスターからみる国によっての好みや目的、特徴はそれぞれ存在し、日本でいうなら、あくまでポスターは宣伝のための媒体で、テレビ離れが激しいからか、よほど知名度や魅力がなければ映画を観ない日本人に、作品の情報量を多く載せて少しでも興味関心を引き動員数を増やすことが最終目的のように感じる。つまり、映画のポスターには好みだけではなく、国の背景にも影響されていることが分かった。

文字数:2035字 (文献を除いて)

team nana

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