アルフォートミニチョコレート バーグ型の帆船を起用したのはなぜか?
by Moa
はじめに、アルフォートミニチョコレートとは、老舗のお菓子メーカーブルボンのロングセラー商品のひとつである。1994年「スイートセレクション」シリーズの一つとして発売された。全粒粉入りのダイジェスティブビスケットを香ばしく焼きあげ、帆船の形をチョコレートに印字したオリジナルなチョコレートビスケットである。味はミルクチョコレート、バニラホワイト、ビター、ストロベリーなどの種類もあり、期間限定のバナナ味やプ レミアムラズベリー味や関西、沖縄、北陸など地域限定の商品が発売されている。
商品デザインの分析
まずアルフォートという名前は造語である。そのためアルフォートという商品名自体に意味はないが、アルフォートのチョコレートにかたどられた帆船は、冒険・夢・ロマンの3つの象徴やイメージがある。ブルボンの公式サイトによると、この帆船には、アルフォートを発売するに当たり、お菓子という大海=市場に夢とロマンをもって漕ぎ出していくというイメージがあると言われている。
今回はそのアルフォートにかたどられた帆船について分析する。帆船とは帆に風を受けて推進力とする船のことである。帆船は、15世紀から18世紀にかけての大航海時代を象徴する船として知られていて、日本における帆船は、「明治丸」「日本丸」「海王丸」などがよく知られている。帆船には多くの種類があり、図1よりパーク型、スループ型、カッター型、スクーナー型などがある。図2のアルフォートにかたどられた帆船は帆が四角であたることやマストが3本以上あることからバーク型やブリッグ型であると考える。
マストが3本以上あり横帆であるバーク型などの特徴として、後ろからの風を受けた場合に、効率よく走ることができる。また、貿易風などにのって、長距離を航海する船に採用されている。数多く種類のある帆船の中でこの帆船の型を起用したのは他のどんな新しいお菓子の商品ができても負けず、長く愛される商品を開発したかったのではないかと分析する。対して、アルフォートにかたどられた帆船がスループ型であった場合、この商品の見た目の印象が大きく変わり、インパクトに欠けるのではないかと考える。商品を購入する消費者はまず外見、つまりパッケージに注目する。多数ある商品の中で、第一印象である見た目は非常に重要であると考える。つまり、スループ型やカッター型ではなく、見た目も華やかな大きい帆船をかたどることで消費者はアルフォートを手に取りたいと思うのである。
まとめ
今回の分析ではアルフォートにかたどられた帆船の意味が商品とどう繋がっているか考察した。ブルボンの公式サイトより、この帆船には特定のモデルになった船や船種はなく独自でデザインしたものだという。だが、この帆船をチョコレートに大きく起用した意味は、この商品を売りたいという強い思いが製菓会社にあったのではないかと考える。
参考文献
アルフォートの船のモデルは実在するの?似ている船はある?
<https://sweets-tairiku.com/?p=19670>(最終アクセス 2022 年6月2 日)
【ユキサキナビ】帆船の特徴
<https://www.homemate-research-ferry.com/useful/17410_facil_011/>
(最終アクセス 2022 年6月2 日)
スクーナー、ブリッグ、バーク 帆装についての覚え書き
<https://onthewaters.hatenablog.com/entry/types_of_sailing_ships_2>
(最終アクセス 2022 年6月2 日)
図1
<https://www.pinterest.jp/pin/532550724678505621/>(最終アクセス 2022 年6月2 日)
図2
ブルボン アルフォートの公式サイト
<https://www.bourbon.co.jp/alfort/>(最終アクセス 2022 年6月2 日)
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