1年間のゼミを終えて by Minako
これまで
後期のゼミでは、発表に向けていくつかの論文を熟読する中で、自分の興味を深めるだけでなく、論文の書き方についても多くのことを学ぶことができた。特に、取り上げる作品に対してどの程度の説明の必要なのか、問題に対してどのような分析方法があるのか、そして結果を分かりやすくまとめるための適切なグラフや表の作成方法など、論文を読むことで得られたため、とても有意義だった。私が今回発表したのは「女ことばと翻訳」についてだった。テーマがジェンダーに関連していたため、多くの説明が「男性」と「女性」の区別に焦点を当てていた。これにより、「男性/女性だったらどうなるのか」という疑問が頻繁に生じ、時には性別が男性と女性だけではないことを見失ってしまうことがあった。今後、ジェンダーについて考える際や卒論を執筆する際は、現代に即したジェンダー観を持つことが重要だと感じた。そして、そのジェンダー観を踏まえて、現代の女子大生ならではの視点で卒業論文を書きたいと考えた。クラスメイトの発表を聞いて印象的だったものは、ディズニー映画やジブリ映画の翻訳に関する分析である。私も翻訳に焦点を当てたため、特にディズニー映画において女性語がどのように使用されているかについて、自分が選んだ論文との共通点を見つけることができ、非常に興味深かった。また、後期の授業を通してメディアに対する理解が変わった。英語学演習1bでは、映画、YouTube、対話の特徴について考え、それぞれに長所と短所があることを理解した。そのため、情報収集の際はひとつのメディアに頼らず、あらゆるメディアを使うことが大切だと学んだ。(677字)
これから
現時点で、私にとって批判的談話研究とはメディアの発信側と受け取る側の理解を深め、自分の生活に実践的に活かすための研究である。ゼミの発表では「女ことばと翻訳」についての論文を扱い、その中で女ことばが翻訳で取り上げられる背景には、日本社会において「女は女言葉を話すべきである」という規範があり、受け取る側はこれを通して無意識のうちに理想的な女らしさを理想的な女らしさを学んでいることが明らかになった。英語学演習1bの授業では、アメリカと日本のSubwayの広告を比較したり、お菓子のパッケージの英語を日本語に訳すことでどのような変化があるか考えたり、3種類のメディアから「食」について学び、比較したりした。前期はお菓子のパッケージに隠れている売り手の戦略に焦点を当て、「売り手」と「買い手」としての視点から物事を考えたことが印象的だった。しかし、2年の英語学基礎演習から今日までの批判的談話研究を振り返ると、全てにおいてメディアの「発信側」と「受け取る側」の理解を深める共通点があることに気づいた。また、私生活では就職活動が始まり、自分の人生を振り返る中で「大学での学びを仕事に活かせるのか」と疑問が浮かぶことがあった。そのときにこの批判的談話研究は、何かを買うとき・調べるとき・会話をするときなど、日常的な行動において、ただ過ごしているだけでは分からない「あたりまえ」に疑問を持ち、自分なりの考えを絶えず持ち続けることで、自分の生活をより豊かにする手段であると考えるようになった。この自分なりの批判的談話研究を踏まえて、卒論に向けてただ作り易いものを作るのではなく、より自分の生活や読み手の新しい気づきに繋がるようなものにしたいと考えている。
参考文献(これから読んでみたい文献とその理由)
1.大塚萌, and 的である. "宗教をテーマにしたマンガの海外翻訳の実例――中村光 『聖☆ おにいさん』 のドイツ語翻訳版比較から." 千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書= Chiba University Graduate School of Humanities and Study of Public Affairs Research Project Reports 336 (2018): 25-34.(2024/02/02)
説明:宗教的テーマを扱ったコメディマンガ『聖☆おにいさん』を対象に、ドイツ語に翻訳をした際、どのような影響が起こるのか研究している。異文化間での翻訳について興味を持ったことや、論文の書き方が分かりやすく、参考になると思った。
2. 篠原有子. "映画字幕は視聴者の期待にどう応えるか." 通訳翻訳研究 12 (2012): 209-228. (2024/02/02)
説明:DVDの普及やファンサブなどにより多様な字幕の選択が可能となった現代で、どのような字幕が期待され、その期待がどの程度反映しているのか研究している。現代で求められている字幕の在り方を知り、本論文が書かれた2012年と今を比較してみるのも面白そうだと思った。
3.小林美恵子. "映画 『何者』 にみる若者ことばの 「中性化」." ことば 40 (2019): 106-123. (2024/02/02)
説明:女性文末形式 「わ」「かしら」などが、どの女性登場人物にも1度も使われない、映画「何者」の登場人物がどのような言葉を使っているか研究している。私が後期のゼミで扱った「女ことば」についてのかなり新しい研究であると思い、興味を持った。
4.佐々木りか. 映画 Enchanted (『魔法にかけられて』) における字幕翻訳の分析と考察. Diss. Iwate University, 2011. (2024/02/02)
説明:ディズニー映画「魔法にかけられて」を対象に、英語のセリフと日本語字幕・吹き替えと比較し、量的及び質的観点から翻訳を分析している。後期のゼミでの発表の中でディズニー映画についての研究が面白かったため、他のディズニー映画についての翻訳研究に興味を持った。
5.徐微潔. "日本語における女性標示語 「女子~」." 日本語と日本文学 55 (2013): L22-L37. (2024/02/02).
説明:過去5年(2006年~2010年)の新聞のデータベースを用いて、記事に現れている「女子~」の使用実態について、社会言語学的手法で分析している。「女子○○」や「○○女子」という言葉を日常でよく聞くため、興味を持った。
なんちゃって卒レポ
・Title(題名)
「海外ドラマ『ゴシップガール』の女性登場人物の字幕テクストの違い」
・Introduction(問題意識)
海外ドラマ『ゴシップガール』では社会的階級、家族構成、性格がそれぞれ違った個性的なキャラクターが登場する。その中で女性登場人物のキャラクターは字幕でもそれぞれ違った個性が出るのか分析し、字幕の持つ役割について考察する。
・Literature Review (先行研究)
古川弘子. "女ことばと翻訳―理想の女らしさへの文化内翻訳―." 通訳翻訳研究 13 (2013): 1-23.
・Methodology(分析方法)
海外ドラマ『ゴシップガール』の主要となる女性登場人物を数名挙げ、それぞれの社会的立場や性格についてまとめ、字幕での言葉遣いの違いについて分析する。また、話し相手によっても変わるのか分析する。
Data Analysis(データ分析)
各女性登場人物の字幕に使われた「女性ことば」の回数をまとめたい。
Conclusion(結論)
未定
(1741字)
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