言葉を考える授業 太田ゼミの前期 by Yurina
1.はじめに
はじめに、私が太田ゼミに入った理由を述べていく。一番の理由は、私自身が「言葉の影響力」を重んじて生きているからである。言葉は自分の心情や考えを伝える唯一の手段であり、その影響は大きいと思っている。他者から受け取る言葉も同じである。
ゼミの紹介文を見た後、一番心に残ったのが太田ゼミの研究内容だった。改めて考えると
私達は常に言葉に囲まれて生きている。だからこそ、その言葉に着目しながら何かを研究・分析をすることに興味が湧いた。
また、洋画が好きなので、日本語と英語の言葉の違いから生まれる、映画自体や視聴者への影響にも、このゼミを通じて考えることができたら、と思いこのゼミを選択した。
2. 太田ゼミでの学び
前期のゼミを通して、今まで全く触れてこなかった「批判的談話研究」というものを少し
分かったような気がした。前期の全6回で中心的に行ったのが「お菓子のパッケージ研究」
である。まず、ゼミ生皆で「プリッツ」のコマーシャルを研究した。当時人気アイドルであった松浦亜弥が、ジャージ姿でお相撲さん二人と「ツップリダンス」を踊るというものである。私はこのコマーシャルをこの授業で初めて見たが、とても衝撃を受けた。「アイドルたるものいつも上品で可愛くて、体を張ることはしない」というイメージが、今よりも昔は根強くあると思っていた。それに比べ、このCMは私の予想を反するものだったからだ。
足を大きく開き、キラキラな衣装ではなくジャージを身に着け、「ツップリ、ツップリ、ツップリ!」と大きい声を出す。これをやっているのがアイドルとなれば、人々の印象に深く残り、それはつまり商品の宣伝が成功したともいえるだろう、と感じた。
当時もこのコマーシャルの衝撃は凄くて、有名なものであると太田先生から教わった。
こうして何気ないCMの一つでも、その時代の価値観や流行が大きく反映、または影響していると思う。
このCMを踏まえた上で、私達はそれぞれお菓子を自由に選び、そのパッケージを研究
した。何気なく普段手にしているものを、企業の意図やその時代の背景と結び付けて研究
するのを、私にできるだろうかと思った。しかしいざやってみると、何気ないものから
その企業の特徴や、その時代の価値観・考えや背景が分かり、とても面白かった。
私はチョコレート菓子「CRUNKY」を研究した。実は今まで、一度もこの商品を食べたことが無かった。にも関わらず、なぜこの商品にしたのかと言うと、一度も食べた事がなく
良く知らない商品の方が、第一印象や最初の予想と、実際に研究した後の相違がきっと
面白いのではないのかと思ったからだ。
実際に研究してみると、パッケージから予想できるチョコレートの味や食感は、実際に研究
試食した後とあまり変わらなかった。あまり濃厚なチョコレートではなく、素朴で軽い
サクサクしたチョコレート。また、オレンジと黄色の彩度の高いグラデーションの配色も
「CRUNKY」と大きく書かれた文字も、このお菓子を製作したロッテ会社が、
力強いイメージを手に取る人達に受けてもらいたい、そんな意図でデザインしていることが分かった。
このことから、やはりパッケージはその商品の特徴を消費者に伝える一つの手段であり、
大きく影響するものだと思った。お店に沢山の商品が並んでいる中で、自分達の商品を一人でも多くの人に手に取って貰うためには、パッケージのデザインはこんな商品であるという宣伝と、いかに美味しそうに見せるかを決める大事な部分なのである。
また、なぜ「CRUNKY」という名前にしたのかについては、予想と大きく異なった。
何となくCrunkyという、(実際には存在しない単語だが、日本人には馴染みの深い
カタカナ英語)ザクザクな食感と連想させたのかと思った。しかし実際に研究してみると、それだけではない事が分かった。
「CRUNKY」が発売された1960年代に、アフリカ系アメリカ人による、ソウルミュージックやジャズ、リズム・アンド・ブルースなどを組み合わせた新しい音楽が流行したそうだ。
このブームをきっかけに、「Funky」という単語が「洗礼されていない、素朴な」といった
意味合いでも使われるようになった。
「素材を活かした素朴なチョコレート」が特徴であるこのお菓子にぴったりな単語である。
つまり「CRUNKY」はCrunchとFunkyを合わせて出来た名前であると、私は研究した。
このように、一つの物から当時の背景や流行、企業の意図を読み取り、研究する楽しさを
前期の太田ゼミで学んだ。
3.これから
現時点で、私にとって批判的談話研究とは、評論家の気分になって一つの物事を考える
研究である。
よく考えてみると、私達は常に映像や言葉によって、考えやイメージを操作されていることに気づいた。それは時に良い意味でもあり、悪い意味でもある。
SNSやメディアが普及している今、様々な場所に、様々な操作された情報が存在している。
常に受け身であることが多くなった今だからこそ、物事を深く研究し、自分なりに考えてみるのが、批判的談話研究の一つなのではないかと思った。
また、私は映画や音楽が大好きだが、それらの印象や感想も言葉によって左右されることに気が付いた。なので、映画や音楽の中の英語と日本語の表現の違い。文化や価値観に反映される事柄、を研究してみたいと思った。
(2140字)
参考文献
①荒木純子 「夢と奇跡と自立―ディズニープリンセスの歌にみるジェンダー―」
https://www.agulin.aoyama.ac.jp/repo/repository/1000/12501/Y65U001-015.pdf
最終アクセス 2023年7月13日
ディズニーはいつも歌の英語の歌詞を、自然な、かつ感動できる綺麗な日本語で作っているが、それらをジェンダー観点から見ると、また全然違う世界が見えてくるのではと思った。
②工藤さくら 「時代の変化の中で彼女達は何と戦うのか 『リトルマーメイド』
『モアナと伝説の海』を比較して」
file:///C:/Users/yurin/Downloads/%E5%B7%A5%E8%97%A4(2023)2023%E8%8B%B1%E6%96%87%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E8%AA%8C.pdf
最終アクセス 2023年 7月13日
時代の価値観や考えが特に、ディズニープリンセスの映画には大きく反映していると思っているので、この二つは、舞台が海で、好奇心旺盛な女の子が主人公で、など共通点が多く存在しているから、比較したら面白そうだと思ったからだ。
③関口秋香 「役割語の日英対照 ―ディズニー映画とジブリ映画における『女性語』を
中心に―」
file:///C:/Users/yurin/Downloads/032_SEKIGUCHI_20161101.pdf
最終アクセス 2023年 7月13日
考えてみると、ジブリ映画は日本で作られている映画なので、ディズニー映画よりも、
独特な言い回しの台詞の種類が多いように感じたから、それを比較してみるのは楽しそうだと思ったからだ。
④植松茂雄 「DVD映画教材利用時の英語字幕が英語学習に与える影響について」
https://www.code.ouj.ac.jp/media/pdf1-1/No.1-11ronbun01.pdf
最終アクセス 2023年 7月13日
映画の英語字幕を利用して、英語を学習する方法は、今主流の勉強方法だと思うけれど
実際どのような効果があるのか、詳しく知りたいと思った。
⑤角田奈歩 「モード都市 パリのファッション産業前史」
https://www.kci.or.jp/research/dresstudy/pdf/F_FT03_TSUNODA_Mode%20City%20Paris_JP.pdf
最終アクセス 2023年 7月13日
パリのファッションやライフスタイルが素敵で、よく動画や写真を見るので、
その歴史を知りたいと思った。
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