お手頃な疑似スイーツ by Subaru

コロコロとした円柱型のお菓子「コロン」。さくっとした生地にクリームを挟んだコロンは、1971年に江崎グリコ株式会社から販売されたロングセラー焼き菓子ブランドで、現在も様々な味が展開されている。その中からコロン大人のミルク味に焦点を当てコロンの宣伝方法について推察する。

1.パッケージの分析

大人のミルクは他のシリーズより落ち着いたトーンの色が使われ、フォントも線の細いものを使用し、上品な印象を与えるデザインとなっている。(図1、2参照)その中で目を引いたのは中央にあるヨーロピアン生クリーム使用と挿入されている赤のリボンだった。それはパッケージ下部に書いてある内容と同じもので、なぜ再度目立つようなデザインで、それも一文のみ記載されているのか。その理由はイタリアのスイーツに近づけたいという想いがあるのではないかと推察した。イタリアではマリトッツォやカンノーロのような、クリームをサンドするスイーツが多くあり、コロンと少し似ているように感じられた。また1980年にグリコからイタリアを題材にしたコロンのCMが放送されていたことから、以前からコロンをヨーロッパに関連付け、少しでも本格派なスイーツに近づけたいという風に捉えられるのではないだろうか。

次に図3を見てみよう。側面にハートがいくつかついているのが分かる。またバックにプリントされたコロンの写真を比較すると並べ方に大きな違いがある。まずミルク味の方ではコロンを縦や横に向けて積み重ね、どこか遊び心を感じられるように並べられている。一方で大人のミルク味では、お皿の上にコロンを丁寧に並べ、淵にはクリームが絞られていて上品さを感じられる。以上のことから普通のミルク味と比較してもこの大人のミルク味は、大人の女性をターゲットに造られていると推測できる。

2.まとめ

 今回コロンのパッケージから、本格的なスイーツを目指していること、ターゲット層を大人の女性に絞っているという意図を推察することが出来た。今までの子供から大人と幅広い層に向けていたミルク味から、スイーツ好きの多い女性に焦点を絞るというのは、本格派のスイーツを目指している商品として最善の戦略だと思う。

                  (図1:コロン 大人ミルクパッケージ)       (図2:コロン ミルク味)


(図3:コロン 大人ミルクパッケージ側面)



参考文献

【公式】江崎グリコ

https://www.glico.com/jp/product/snack_biscuit_cookie/collon/

テレビコマーシャル「CM グリコ コロン プリッツ コメッコ 1983年」

URL:https://www.youtube.com/watch?v=ZT_48wTGDYE

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