“Share happiness!” みんなに長年愛されるポッキー by Ayaka
今回のレポートでは、江崎グリコ株式会社が製造販売している「ポッキー」のCMとお菓子のパッケージの二つに注目し、分析する。1966年、江崎グリコ会社は世界で初めて、棒状チョコレート菓子を発売した。それが「ポッキー」である。試行錯誤を経て、棒の一部にチョコレートを塗らないという今の形になった。それは単純なアイデアであったが、手が汚れずに持ち手までが食べられるという革新的なアイデアであった。そうして、「ポッキー」はチョコレート菓子の定番商品となった。そして、「2019年に世界で最も売れた〈チョコレートでコーティングされたビスケット〉」とし2020年10月13日、ギネス世界記録に認定されている。
まず分析するのは江崎グリコ株式会社が2015年9月1日に放送したCMである。ポッキーは2015年に発売50年を迎え、主要5品を大幅にリニューアルした。ポッキーの購入率をさらに高めるため、同年9月から始めたキャンペーンが「PROJECT:シェアハピ」だ。話題のきっかけとなったのは、キャンペーンのために結成されたユニット「THE Sharehappi」だ。当時全国ツアーで観客動員数120万人を達成した、若年層を中心に不動の人気を誇るダンスグループ、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE(JSB)」から小林直己、登坂広臣、岩田剛典の3人を起用している。彼らがテレビCMやネット動画で披露する「シェアハピダンス」は、両手の2本指を立てて胸の前で腕をクロスするポーズ、「シェアハピポーズ」から繰り出される印象的な振り付けだ。「広告を見た後にすぐマネしたくなる、やってみたくなる表現」「ポーズのマネから、実際に食べるという行為につなげたい」という思いが込められている。現に、「シェアハピダンス」の振り付けを紹介するネット動画は754万回を超え、CM「シェアハピダンス」編は374万回再生越えと大きな反響を呼んだ。このように、CMは商品の魅力だけでなく、消費者とのコミュニケーションを促すことで、SNSでの拡散も狙うという戦略が功を奏した。このCMは、商品を食べ合わせることで、人とのコミュニケーションが生まれるというコンセプトを打ち出していると考える。この戦略は、ただのお菓子だった「ポッキー」を、誰かと時間や喜びを共有するツールにまで昇華させた。商品を買う時には、それをなぜ買うかという理由が必要だが、お菓子は娯楽であり、食欲を満たすものではない。そのため、食べるものという観点からみると、お菓子を買うことは無駄と言える。そこで働く非購買意欲に対して、「誰かのために」という理由を消費者に与えることで購買意欲を促進することに成功したと言える。
次にポッキーのパッケージを分析する。箱の一番上に、「"Share happiness! 分かち合うって、いいね」と書いてある。このスローガンは2013年に世界共通で掲げたブランド方針「Share happiness! Pocky(シェア・ハピネス・ポッキー)」に基づいて作られたものだ。ポッキーは、友人や家族と一緒に食べることが多いお菓子であり、共有することでより楽しめるお菓子である。このスローガンを見た人々が、周りの人々と一緒にポッキーを楽しむことで、より幸せな時間を過ごしてほしいというメッセージが込められている。分析したCMには、スローガンの願い通り、たくさんの人々が笑顔でポッキーを楽しむ姿が映し出される。また、ポッキーを買う際に「Share happiness!」の文字を見ることで、CMを思い出すだろう。そのため、このスローガンがポッキーという商品のイメージを強く印象づける役割もあると言える。そしてポッキーの箱には、鮮やかな赤色のパッケージが使用されている。このパッケージを見た人々は、一目でポッキーという商品であることがわかる。さらにこのスローガンも一緒に見ると、ポッキーを手に取りたくなるという心理効果があると言えるだろう。
このように今回分析したポッキーのCMは、シェアハピダンスという、つい真似したくなる踊りと頭に残る曲で、とても印象的である。このCMは消費者とのコミュニケーションを通じて商品の魅力を伝えるだけでなく、消費者の心に訴えるものになっている。ポッキーは、スローガンに「Share happiness!」を掲げ、多くの人を幸せにし、愛されているお菓子である。ポッキーのパッケージには、このスローガンが記載されている。これにより、ポッキーの商品イメージを強く印象づけ、つい手に取りたくなるような役割があるのではないかと考えた。少なくとも、私はこのレポートを書いている最中、「シェアハピ!」と声に出したくて仕方なかった。ポッキーを片手に。
(1855字)
参考文献
https://www.pocky.jp/about/happiness.html
https://www.pocky.jp/about/history.html
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