カプリコ 多くの人に愛されるチョコレート菓子

by Miu

    私が好きなお菓子に、江崎グリコが開発した準チョコレート菓子「カプリコ」がある。この商品は1970年に発売が開始されて現在に至っている。片手で食べることができるお手軽サイズで価格も税抜き価格98円ととてもお手頃である。「カプリコチョコレート」は、コーンにチョコレートを充填したあと、チョコレートを膨張させ中に多くの空洞をつくり、軽いチョコレートにする¹。

    ここで「カプリコ」という名前の由来に疑問が残る。カプリコとは、商品のイメージの「カプリと食べる」「イタリアのカプリ島の明るさ・楽しさ」をイメージ付けしたものである²。

    「ふんわりチョコにカプリつけ!」という商品名である「カプリコ」と引っ掛けて表現しているキャッチコピーから、グリコがこの商品を通して伝えたいことがはっきりと分かる。パッケージにも注目してみるとそこには、「ふんわり食感」と書かれている。グリコは、使われているチョコが板チョコのような硬いチョコではなく、ふんわり柔らかいことを強調したかったのではないか。また、商品名の下には「成長応援!カルシウム+マグネシウム」と表示がある。これは成長に悪影響だと言われているお菓子でも、カプリコには成長要素は含まれているよ、という前向きなメッセージだと思う。それを裏付ける証拠として、商品名と“GIANT”の表記がまっすぐではなく右ナナメ上にあがっている。これは成長できるということを文字で表しているのではないか。

    さらにパッケージ大部分が赤と緑の配色である。これは苺の実とヘタで構成されていて、この商品は苺味だと一目で分かる。赤と緑であることによってメリハリのあるパッケージになっている。そのパッケージの右側には呪術廻戦のキャンペーンを展開している。呪術廻戦はどの層にも人気があるが、主なターゲットは子供だろう。ここで注目するべきところは「親子で」とわざわざ吹き出しで書いてあることである。お菓子は子供だけのものだと思われがちだが、親世代も取り込もうという意思が見える。このような相乗効果によって販売促進が期待できると考えた。

    “GIANT”の表記がなぜ日本語ではなく英語なのかに対して私は3つの可能性を考えた。まずは日本語よりは英語の方がかっこいいとイメージを持っているからである。また、英語表記にすることによって日本だけではなく世界に進出したいという製菓会社の想いが伝わる。さらに世界進出を果たした際には海外に覚えてもらいやすいというメリットもある。

    この“GIANT”といった英語表記によって私たち消費者はこのカプリコが満足感溢れるお手頃なお菓子だということが分かる。また海外人気のある呪術廻戦のキャンペーンと英語表記で“GIANT”と表示されていることによって私たち日本人だけではなく多くの人に好まれるお菓子になる海外進出の手助けとなっているのではないか³。これらの分析により、“GIANT”という表記は日本語で書くのではなく英語で書いてあることにより販売促進していると考えた。

¹(Glico PR Japan) “カプリコチョコレート」は、コーンにチョコレートを充填したあと、チョコレートを膨張させ中に多くの空洞をつくり、軽いチョコレートにします。”2011年9月12日11時11分

²江崎グリコ株式会社「豆知識コーナーカプリコの名前の由来はなんですか?」〈https://www.glico.com/jp/customer/qa/2797/〉(最終アクセス2022年6月2日)

³飯田一史『Yahoo!ニュース』「『呪術廻戦』アニメが各国でトレンド入り&フランスでマンガがヒット」〈https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20201204-00210927〉((最終アクセス2022年6月9日))

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