PURE POTATO じゃがいも心地 純粋なじゃがいも
by Marino
2019年に発売された、湖池屋が製造するポテトチップス菓子「PURE POTATO じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩」のパッケージを考察する。
水色の背景に、黒と銀の明朝体の文字が印刷されているパッケージは、湖池屋のメイン商品である「ポテトチップス」シリーズと比較すると、高級感のあるデザインとなっている。このパッケージは、女性や、若者をターゲットに考えてデザインされたものだと思われる。また、どちらの商品も日本産のじゃがいもを原材料として使用しているが、PURE POTATO じゃがいも心地は、ポテトチップスのスライスが厚切りで、「生」のじゃがいもを使用していることを売りにしていて、こちらもパッケージと同様に、「ポテトチップス」シリーズよりも贅沢な仕上がりにすることで、商品の差別化を図っている。さらに、値段も異なり、「湖池屋ONLINE」で購入した場合、「ポテトチップス のり塩」は、12袋1399円なのに対して、「PURE POTATO じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩」は12袋1529円と、1袋あたり約10円高くなっており、ワンランク上の商品として位置づけられている。
このパッケージに書かれている唯一の英語は、商品名の”PURE POTATO”である。PURE POTATOの名前の由来について、「日本産の生じゃがいもを厚く切ることにより、生じゃがいも100%の美味しさを際立たせたポテトチップスであることから『ピュアポテト』と名づけました」と湖池屋は説明している。英語の”PURE”は、日本語に訳すと「純粋な」という意味であり、「純粋」とは、混じり気のない・完全な・きれいな、ということを指す。このことから、湖池屋にとって”PURE POTATO”は、「きれいで混じり気のない完全なポテトチップス」という意味と役割を持つと考えられる。
また、「純粋」と同じ意味で「生粋」という言葉がある。この言葉と、この商品の売りである、生じゃがいもの「生」と掛けていることが推察できる。加えて、PURE POTATO じゃがいも心地シリーズの中でも一番スタンダードな味である、オホーツクの塩と岩塩は、塩というシンプルな味付けでじゃがいもそのものの味を味わうことがコンセプトとなっている。そのため、「純粋な」じゃがいもの味を楽しむことを助長するためにこの名前が付けられたということも考えられる。
さらに、ポテトチップスシリーズの中で、湖池屋が一番力を込めて販売しているのは、のり塩味であるが、このPURE POTATO じゃがいも心地シリーズの中で力を込めて販売されているのは、オホーツクの塩と岩塩味である。この二つの味の差は、食べても手が汚れないということだ。このことからも、手が汚れることに比較的抵抗がある若い世代をターゲット商品であることがわかる。
以上、PURE POTATO じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩のパッケージを考察した。このパッケージに記載された”PURE POTATO”には、湖池屋がこだわり抜いたじゃがいもとポテトチップスに対する思いが込められている。消費者が店頭で「PURE POTATO じゃがいも心地」の文字を見て、その意味を考えた際には、それがじゃがいもの味にこだわったポテトチップスであることを想像できるのではないだろうか。加えて、スタイリッシュなパッケージは、店頭に並んだときに目を引きやすく、その美しさから商品が気になる消費者も多いはずだ。そして、商品を手に取り、購入した場合には、湖池屋の戦略が上手くいき、販売促進に役立った証拠だと言える。
参考文献:
湖池屋「湖池屋ONLINE」
〈https://shop.koikeya.co.jp〉 (最終アクセス2022年6月1日)
湖池屋「PURE POTATO じゃがいも心地」
〈https://purepotato.koikeya.co.jp〉 (最終アクセス2022年6月1日)
湖池屋「お客様センター」
〈https://koike-yafaq.dga.jp〉 (最終アクセス2022年6月1日)
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