カントリーマアム 長年愛される親しみやすさ by Megumi

カントリーマアムのパッケージに含まれる英語がどのように販売促進に役立っているかを分析する。

まずカントリーマアムとは1984年に販売が開始された不二家が製造しているクッキーの商品名であり、ビスケット・クラッカー市場において15年連続売上ナンバー1という実績を持っている。普通のクッキーよりも時間をかけて低温でじっくり焼き上げることで、中のしっとり感を逃がさず、外はサックリしているという外側と内側で違う食感の2層構造が特徴として挙げられる。カントリーマアムには専用に開発されたチョコチップを混ぜ込んでおり、定番商品であるバニラやココアのほかに、期間限定商品や地域限定の商品を多数展開している。

カントリーマアムのパッケージの中で一番大きく印字されており、目を引くのはやはり商品名である「カントリーマアム COUNTRY MA’AM」である。「Country」という単語には「国・国民・地域・田舎」といった意味である。「Ma‘am」という単語は「奥様・お嬢さん」といった女性を呼びかける際に用いられる丁寧語であり、「madam」の「d」の音が消失したものである。日本で「madam」を使うと高貴な婦人のことをイメージする人が多いだろう。あえて「ma’am」にすることによって「ママ」のような親しみ感を出している。 

パッケージ中央にある木に囲まれた家のイラストから推測すると「Country Ma’am」とは日本語訳にすると「田舎の奥様」になると考える。洋菓子店などで販売されているクッキーはデコレーションされた華やかな見た目のものや綺麗な四角形や円形のものが多い。しかし、対照的に、カントリーマアムは表面には何もないシンプルなデザインで、形はやや円形ではあるが不揃いである。これは「手作り感」を表すための戦略であると考える。カントリーマアムは比較的安価で大容量パックとしてスーパーなどの店頭で見かけることが多く、手に取りやすい商品である。最も定番の味である「バニラ&ココア」は二つの味を楽しむことができ、かつ個包装である。そのため、大人数で分けて食べることができる。したがって「Country Ma’am」とは「田舎の奥様が作った手作りクッキー」を表しており、商品名と見た目の親しみやすさから、見かけたらついつい手にとってしまうという人間の行動心理を狙っていると考える。また、購入後は手作りクッキーをみんなに配るというバレンタインのような感覚で家族や友達など大人数でシェアして楽しい時間を過ごしてほしいという不二家の想いが込められているとも私は考える。

以上、カントリーマアムのパッケージに含まれる英語がどのように販売促進に役立っているかを分析した。不二家は洋菓子店で売っている高値のクッキーに手を出しづらい主婦層や学生層を狙って、「Country Ma’am」という皆が知っている単語で分かりやすく親しみやすい商品名、かつ大容量にすることで消費者の行動心理を突き、40年近く愛される商品になっていったのだと考える。 (1183文字)

[不二家チョコチップクッキー カントリーマウム]「about カントリーマウムとは」

<https://www.fujiya-peko.co.jp/countrymaam/about/>(最終アクセス2023年6月8日)

[英ナビ!英語で結果を出したい人のベストパートナー]「ma’amとは・意味・使い方・読み方・例文 - 英ナビ!辞書 英和辞典」

<https://www.ei-navi.jp/dictionary/content/ma%27am/ >(最終アクセス2023年6月8日)

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